のり始めた→かわいい&長男が興味を持った
魚価の低下と餌代の高騰により鯛養殖が危機に→子供たちに産業を残したい→海苔
濾過してるからアレルギーフリー

みなさま、【高級きぬ青のり】をご存じでしょうか。
今回、愛媛県宇和島市遊子(ゆす)で【高級きぬ青のり】を作る、山内さんにお話をお伺いしました。
山内 満子さん(上記お写真:真ん中)は、地方創生を精力的に行っている方で、第51回農林水産祭の水産部門において「内閣総理大臣賞」を受賞されたり、2021年8月7日テレビ朝日放送の「日本の力」に出演されている方なんです!
愛媛県宇和島市遊子とは!

遊子(ゆす)は、宇和海を望むリアス式海岸を保有し、黒潮が流れ込む環境にある、鯛の養殖等が盛んな地域です。
山内さんものりの養殖を始める前は、鯛の養殖をしていました。
遊子(ゆす)の課題とは!?

年々と、魚価の低下や餌代の高騰、海の環境汚染等により、地域最大の産業である養殖業が衰退傾向にあります。
その結果、人口の流失や少子化につながってしまっているのです。(未成年が全体の約17%)
「宝の海を孫の世代以降まで残したい」
※修正項目↓
こうした状況の中、山内さんには子供たちに何か産業を残し、「宝の海を孫の世代以降まで残したい」という想いがありました。
海の環境悪化等に左右されない、持続可能(サスティナブル)な生産者を目指し、のりの養殖業が始まりました。
これからも海と共に暮らしていくために環境への負荷をより少なく、 新しい世代に向けて産業を創造する必要があると考え、養殖の品種を海の「真鯛」から陸の「スジアオノリ」に転換しました。
0からのスタート
↑(井戸の建設:スジアオノリに必要な透明度/栄養成分を満たした海水を汲むため)
一般的な海苔養殖の技術・設備・施設すら何も無い状態で、初めての連続。
本当にゼロからのスタートだったため、完全陸上養殖の技術を確立するまでが大変な道のりでした。
きぬ青のりとの出会い

↑青のりの赤ちゃんのプチモ
当初は、海の環境悪化を受けて、持続可能(サスティナブル)な陸上養殖ができるアワビを見学に行った山内さん。
その際に、アワビの隣にある青のりの赤ちゃん(プチモ)に一目惚れしたのが、スジアオノリとの出会いでした。
完全陸上養殖に向けての試行錯誤
海苔の陸上養殖技術の生みの親である、高知大学の平岡雅規教授と山内家が一丸となり、海苔の陸上養殖が始まりました。
海苔の成長でビーカー内に根が張ってしまい、取れなくなってしまう問題が発生しました。
平岡教授の特許技術を活用し、海苔をビーカー内で回転させることにより、解消できました。

試行錯誤中は、スジアオノリが波平さん(サザエさん)のてっぺんの毛のような状態に成長して、球体になりきらずにビーカーの中を回っていました。。。(笑)
そうして、実験を繰り返し、宇和島市遊子でスジアオノリが収穫サイズまで成長させることに成功しました。

「乳幼児の孫が食べても大丈夫」を基準に

山内さんは、「乳幼児の孫が食べても大丈夫」を基準に生産しています。
大量生産はできませんが、安心安全を心がけ、全て手作業できぬ青のりの梱包を行っています。

他とは違う陸上養殖の品質

他の海苔では真似することが難しいきぬ青のりになっています。
井戸海水を使った完全陸上養殖を行っているので、海の環境悪化(赤潮や水質悪化等)に左右されない高品質な海苔が生産できます。
また、海苔では珍しく、エビ・カニの生息地から完全に隔離されているため、甲殻類アレルギーフリーになっています。
きぬ青のりは天然のサプリメント!?

スジアオノリには、鉄分、カルシウム、葉酸、ビタミンB12といった栄養素が豊富に含まれています!
さらに、磯の香を醸し出す成分には、ストレス性胃潰瘍に優れた効果もあります!
名脇役のきぬ青のり
山内さんのきぬ青のりは、どんなお料理にもぴったりで香りと風味が楽しめます!
そんな名脇役のきぬ青のりと合うおススメの食べ方をご紹介します。
シンプルに一つまみ
まずは、香りや風味を感じて頂くために、シンプルに一つまみするのがおススメです!
遊子(ゆす)を感じられる香りになっています。
豪快にきぬ青のりを
きぬ青のりをふんだんに使っていただくと、いつものお食事が格段に変わります!
当初山内さんに、チーズケーキやおはぎに合うとおススメされ半信半疑でした、、(笑)
食べてびっくり!合います(笑)ぜひぜひ皆様もチャレンジしてみてください!
新しい産業を創る勇気とエールを送る存在に

山内さんから、今後目指していく方向性のお話を聞くことができました。
地域に生きるための六次産業ビジネスモデルになりたい。既存の第一産業では立ち行かなくなると考えている他の方たちに、その土地で新しい産業を創る勇気とエールを送る存在になりたい。
わけたよろこびは2倍のよろこびになる

美味しいものを食べると、自然と口元がほころんで笑顔になっていく、そんな笑顔の環が世代を越えて広がっていくことを目指しています。
今日も『わけたよろこびは2倍のよろこびになる』を企業理念に頑張ります。
おまけ
遊子の鯛を実食させて頂いたのですが、しっかりとした歯ごたえがあり、何もつけなくても甘みを感じることができる。絶品の鯛でした!

↑実際に、目の前の海で鯛(ブランド名:歌吉鯛(うたきち))を釣っていただき、ご馳走になった時の画像(左上から鯛そうめん、鯛のお刺身、鯛の煮つけ)