甘夏

黒木さんが一人で守り続ける、海の恵みで育てた「樹齢50年」の厳選甘夏。

甘さと酸っぱさ、そして少しのほろ苦さのバランスを楽しむ蜜柑、甘夏。

甘夏は、夏みかんの枝変わりで生まれた蜜柑。初夏にかけ夏の香りが少しずつ漂いはじめると、無性にその爽やかさを味わいたくなります😊

今回は、愛媛県中島でちょうど食べごろを迎える甘夏を作り始めて40年になる、ベテラン生産者・黒木(くろき)さんにお話をお伺いできました。

樹齢50年「甘夏の木」

まず驚いたのは、甘夏の木の大きさ

その伸び伸びとした木々の大きさには、歴史、そして黒木さんのこだわりが沢山詰まっていました。

黒木さん
黒木さん
ものすごく、大きな樹でしょ?うちの父親が植えてからずっと育ててきたから、もう樹齢は50年を超えるくらいになるんだ。
トドクヨ
トドクヨ
50年ですか!長い歴史が詰まっているんですね…!ちなみに樹齢って、味にも変化が出るものなのですか?
黒木さん
黒木さん
全然違うよ。樹齢は重ねるほど味がまろやかになるからね。若木の甘夏は水っぽくて薄いけど、10年目位から味が本調子になる。そこからはどんどん美味しくなってくんだ。

まるで子育てのようにじっくり向き合い、50年という気の遠くなるような長い月日を経て、美味しい甘夏を作っているのだそう!

黒木さんの甘夏の木は、50年前からあるなんて思えないほど元気に伸び伸びと育っています。

黒木さん
黒木さん
収穫の時に手が届くよう剪定で樹を小さく抑えて栽培する農家さんも多いけど、うちはあんまり樹を抑え込まないようにして、枝が伸びるまま伸ばしてるからね。そのほうが自然な育ち方になって美味しいんだ。
トドクヨ
トドクヨ
でも、手が届かないと大変なんじゃないですか…!?💦
黒木さん
黒木さん
もちろん大変だよ。わざわざ脚立を使って、一人で1つひとつ丁寧に収穫しているからね。だけど親父の代から育ててきた甘夏の木を伸び伸び育てることがこだわりだから、頑張ってるよ。

脚立にのぼり、1つひとつ手で収穫する黒木さん

黒木さんは数年前まではお父様と一緒にされていたそうですが、お父様がお身体を悪くされてからは、農園を守るため一人で全ての作業をやられているのだそう…

美味しい甘夏を守り続けるために、気の遠くなる作業も厭わず、努力し続ける黒木さんの情熱を感じました。

「安全なものを食べてほしい」という黒木さんの想いも強い。

黒木さんにお話をお伺いしていくと、お客さんへ安全なものを届けたいというこだわりも人一倍お持ちでした。

黒木さん
黒木さん
うちの畑では、お客さんには美味しくて安心できるものを届けたいから、除草剤以外の農薬は全く使わないんだ。
トドクヨ
トドクヨ
つまり防虫剤なども使われていないということですよね…?虫の被害など、大変ではないですか?
黒木さん
黒木さん
もちろん薬を使わないから、害虫被害は大変だよ。虫がついたところはその枝ごと切り落とすことになるから、とにかく手間はかかる。せっかく育てた枝も切らなくちゃいけないこともあるから、収穫量も下がるしね。

イセリアカイガラムシにより害虫被害/スス病にかかってしまった甘夏

また、黒木さんの農園は実を落ちにくくするためのホルモン剤(農薬)も使わないので、完熟期が近づくにつれて熟れた実がどんどん落ちてしまいます。

熟して落ちてしまった甘夏

落ちて傷がついたものは雑菌が入ってしまうので、出荷すらできなくなってしまうのだそう…💦

ヘタ落ちして一部が腐ってしまった甘夏

トドクヨ
トドクヨ
農薬を使わない、ということはとても大変なことなのですね・・・
黒木さん
黒木さん
そうだね。それにうちは殺菌剤も使わないから、害虫被害だけじゃない。枯れ枝で増殖した菌が雨のしずくに混ざって垂れ落ちて果皮にダメージが加わるから、それでダメになってしまうものも多いんだよ。自然の摂理だから、仕方ないんだけどね。

果皮にダメージが加わり、進行した状態。

黒木さん
黒木さん
だけど樹にとっても、お客さんにとっての安全も、農薬を使わないで育てる方が全然いいからね。伸び伸びと育てることもそうだし、自然の流れを止めないことや、自然自体も大切に考えながら甘夏を育てるのが、自分のやり方なんだ。

黒木さんの甘夏は農薬を使っていないので、皮の表面に黒点がある。これは安全な証拠で、人体への影響はない。

昨今「無農薬」という言葉はよく耳にしますが、実際に農薬を極力使わずに生産するということは、手間も気が遠くなるほどかかるもの。

沢山甘夏がなったとしても、収穫まで行かずダメになってしまうものも沢山あるからです。

ですが、その手間暇をかけたり収穫量を減らしてでも「安全を届けたい」という思いで懸命に黒木さんは甘夏を作っています。

黒木さんの甘夏は、沢山の想いを抱え苦境を乗り越えてできた甘夏なのです。

美味しく作るために、海の恵みを活かした独自の製法

実は、半農半漁で漁業もしている黒木さん。

甘夏作りに海のめぐみを生かした独自の製法にもこだわりがありました!

トドクヨ
トドクヨ
海の恵みを使ってとなると・・・どんなこだわりがあるんですか?
黒木さん
黒木さん
うちの甘夏は肥料にもすごくこだわっていてね。実は有機100%の魚粉で育てているんだよ。
トドクヨ
トドクヨ
魚粉ですか!?魚粉を使って作った甘夏なんて初めて聞きました!

黒木さんが使用する100%の魚粉(魚ぼかし)

とにかく海のものにはミネラルがたっぷり含まれているので、味に深みとコクが出るのだとか!

春先には海岸に打ち上げられた海藻を乾かして、有機質やミネラルの補充のために畑に入れることもあるのだそう。

海が荒れたあとに浜に打ち上げられるホンダワラなどの海藻

黒木さん
黒木さん
僕は海の仕事もしてるから、栄養たっぷりの海産物の価値もよく知ってる。だから漁業を甘夏作りにも活かすようにしてるんだ。美味しいものを作りたいからね。
トドクヨ
トドクヨ
黒木さんの海の知識と、海の恵みがたっぷり詰まっているんですね…!

さらに、黒木さんの甘夏畑は夕方は肥料だけでなく、潮風、そして海の照り返しまで、海の恵みに溢れています。

日の入り間際まで燦々と日の光が降り注ぐ甘夏畑

味のチェックも、作業の合間に日々チェックされているのだとか。繰り返し変化を見極めることで、出荷時期を定めているのだそう!

黒木さん
黒木さん
この白い綿の部分も一緒にかじると、味が濃くて美味いんだよ!

と、黒木さん。

大切に作った甘夏を、長年かけて培った感覚で1番おいしいタイミングを見極めて収穫をする。これは、一朝一夕にできることではありません。

黒木さんの甘夏は、これまでの叡智と努力の結晶なのです。

病害虫で樹ごと枯れていくこともあるものの、それも自然循環の一部だと考え、手間がかかっても安全で美味しい甘夏を作る黒木さん。毎年の甘夏の実りを楽しみに、甘夏畑を守り続けています。

黒木さんの甘夏が絶品

そんな黒木さんの思いを受け取り、トドクヨでも甘夏を美味しくいただきました🍊

黒木さんの甘夏はジューシーで、甘くて、その奥にほろ苦さもあって…

そのままはもちろん、サラダ、ゼリー、マーマレードなどなど…様々なレシピで美味しくお召し上がりいただけます♪

ゼリーはお砂糖なしでも甘く、サラダとの相性も抜群です!マーマレードは濃厚でほろ苦さもあり、どんなものにのせても美味しいですよ♪(写真はヨーグルトです)

とくに農薬を使っていないからこそ皮も食べれるので、ぜひマーマレードはお試しいただきたいです!

トドクヨ
トドクヨ
農薬を使っていない証拠として皮に黒点がありますが、人体への影響はないので安心して皮をお使い下さいね💡

また、一般的に無農薬の甘夏は決して安くはありません。

下記は自然派食品店に並ぶ甘夏。その苦労を考えると決して高くはありませんが、1玉200円(※2021年調査時の価格)を超えるので高級です。

農薬を使った甘夏は100円程度で並んでいることが多いが、無農薬だとその分価格は上がる。

ですが今回、産地直送でお客様のもとへ届けさせていただけるので、一般的に自然派の専門店などに並ぶ価格よりもお安い値段でのご提供が叶いました!

例えば9kgのプランだと、1玉あたり100〜200円程度でご提供させていただけます☺️

※プランは3つご用意しています。プランによって1玉あたりの値段が違うので、下記をご参照ください。

黒木さんの甘夏・価格表

2kg(6〜12玉) >>>> 2,900円
 ※1玉あたり、241円〜483円
 ※玉数が少ない場合、そのぶん大きな甘夏が届きます。

4kg(24〜36玉) >>>> 3,700円
 ※1玉あたり、102円〜154円

9kg(27〜54玉) >>>> 5,400円 ★1番おトク
 ※1玉あたり、100円〜200円

それに産地直送だからこそ鮮度のいい状態で皆様へお届けすることができるので、そのぶん美味しくお召し上がりいただけます🍊

またお届けする甘夏は1つひとつ手で選果をしているので、傷みも少なく、1玉1玉の価値はとても高いものとなっています。


配送スタッフさんが手で選果している様子。とても時間がかかる作業。

手選果は手間暇がかかりとても大変な作業ですが、その分品質が高いものをお届けすることができます。またその思いがあるからこその技術です。

黒木さんの無農薬にこだわった製法、そして配送に携わっていただけている現地スタッフの皆様の手で選果する苦労と努力があり、この価格でのご提供が叶いました。

ぜひこの機会に、ご賞味いただければと思います!!

このご縁をもって、皆様と黒木さんの甘夏への想いを繋ぐ機会になり、その思いがみなさまへ届き、美味しく召し上がっていただけましたら嬉しいです☺️

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中島の甘夏が存続危機に後継者問題も深刻

ここまで黒木さんの甘夏を紹介してきました。

しかし…

中島も60年前は10000人を超える人口を支えていた島ですが、今現在2300人と減少。

60%は65歳以上というのが実情。

この通り、今の中島では高齢化が進み後継者問題が大きな課題となっています。

もともと柑橘類の聖地でもある中島ですが。

80代、90代の方がまだまだ現役でみかんを作られているのが現状なのです。

もちろん、長年みかんづくりを経験してきたベテランの方が作るみかんは美味しいです!

しかしこの長年培ってきた技術を若者に継承していかなければ行けません。

その活動にも取り組む田中さんも生産者でもあり、中島の後継者問題に取り組んでいます。

そういった環境の中、黒木さんもおひとりで甘夏を育てられています。

せっかく今まで黒木さんが培ってきた技術や樹齢のある樹木も、いつかは誰かが受け継がなければこの黒木さんの甘夏ですら、途絶えてしまう可能性すらあります。

近年の自然災害も深刻

また、台風が引き起こした大規模な塩害でほとんどの木が枯れてしまったこともあります。

その度に、時間をかけて畑や木を復活させ月日をかけ復活させていかなければ行けません。

もちろん。若い時は頑張って何度も立ち上がり頑張ってこられたベテランの方々。

ですが労力もかかるため、年齢を重ねるにつれ自然災害で荒れた畑などを手入れできず、現役を引退される農家さんも近年増えているのです。

問題を解決するには経済的な確立が必須

愛媛県はみかんで有名ですが、売れなかった実はまだまだ安く買いたたかれてしまう現状でもあります。

ジュースなど加工品に使われるみかんは1キロ10円…

なんていう事もざらに起きてしまっているのです。

もちろんそんな事をしてしまっては、島の経済が回るわけがありませんし、島に住んで働きたい!と思う人も増えません。

私たちの考えは「しっかり正しい価値でみかんを食べて喜んで頂き、経済を回し、みかんづくりを魅力的な仕事だと若い世代に思ってもらう事」

こうすることで、みかんづくりに魅力を感じ、若い後継者が増えてきてくれると信じています。

そして、黒木さんの甘夏をはじめ伝統のみかんを守っていきたいのです!

そのためにも、中島のことを知って頂き、美味しい甘夏を食べて頂く事が願いです。

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